毎日歯を磨いていてもなぜ歯は黄ばんでくるのでしょうか。
特にタバコやコーヒーといった嗜好品を好んでいなくても、時間とともに歯の汚れができてしまうのはなぜなのでしょうか。
今回は、歯が黄ばむ仕組みとその原因を徹底解説していきます。
黄ばみの落とし方については、以下の記事で詳しく解説しているので、「原因よりも落とし方を知りたい!」という方は参考にして下さい。
歯が黄ばんでいく仕組み
せっかく見た目が美しくても、歯の色が黄ばんでいると魅力は半減してしまいますよね。では、なぜ人の歯は黄ばむのでしょうか。
歯は、次のような物質で構成されています。
- エナメル質
- 象牙質
- 歯髄(しずい)
- セメント質
歯の表面のエナメル質は半透明の薄い色をしているため、エナメル質を通してその内側の象牙質が透けて見えます。
そのため、歯の色は、エナメル質の奥にある象牙質が決め手になるといわれています。もともと象牙質は乳白色ですが、これには個人差があるので、生まれつき黄味がかった色の人も中には存在します。
また、エナメル質の表面の厚さによっては、歯の色が違って見えてきます。歯の一番表面にあるエナメル質が薄れてしまい、その奥にある象牙質がむき出しになると、歯が黄ばんで見えます。
歯のエナメル質は、食べ物の刺激や酸などで、薄くなってしまいます。
黄ばみの原因になるのは大きく分けて2通り!
歯の黄ばむ原因は、私たちの日常生活の中で起こる小さなことがきっかけです。
ここからはより詳しく、どんなことが歯の黄ばみの原因になっていくのかを解説していきます。
歯の黄ばみのには、「〇〇を口に入れた」等の予防できる原因と、加齢などの予防しにくい原因の二つがあります。
歯が黄ばむ、予防可能な原因
歯が黄ばんでしまう、外からの原因としてあげられるのは次のようなものです。
- 飲食物や喫煙
- 虫歯
- 詰め物や被せ物
- 高濃度のフッ素
飲食物や喫煙
エナメル質は非常に薄いので、色の濃い食材を長い期間取り続けることで、その色素が歯の表面にしみわたってしまいます。
結果として、歯が黄ばんで見えてきてしまうのです。
特に以下で紹介をする飲食物は、一般的に長期間多量に摂取をすると着色汚れの原因になるといわれているものです。
【色の濃い食品】
- カレー、ぶどう、トマト、しょうゆ、ほうれん草、ソースなど
【ポリフェノールの多く含まれる食品、飲み物】
- 大豆、ぶどう、ココア、チョコレート、ブルーベリーなど
- 赤ワイン、コーヒー、紅茶、ウーロン茶、緑茶など
虫歯
虫歯になると一気に歯の色が変化するのではなく、徐々に段階を経て歯の色が変色します。
初期のころの虫歯では、通常の歯よりも白い色になり、これが進行をしてエナメル質まで虫歯になると、黄色みがかった歯の色に変化をします。
さらに虫歯が象牙質まで進行をすると茶色みがかった歯の色になり、その奥にある歯髄(神経)に到達をすると、黒っぽくなります。
詰め物や被せ物
虫歯治療で使われる金属製の詰め物やかぶせ物は、長期間つけていることで、金属の劣化により黒っぽく変色をしてきます。
特に保険適用範囲内の施術で取り付けてもらった被せ物は、プラスチックの場合が多く、経年劣化により黄ばんで見える可能性が高いです。
こういったことを防ぐためにも定期的にメンテナンスを行うことが重要となってきます。
高濃度のフッ素
フッ素は虫歯治療に良しとされている成分です。
しかし高濃度のフッ素を永久歯のエナメル質がきちんと出来上がる前に摂取してしまうと、歯に白い斑点ができたり、黒ずんだ歯になってしまうことがあります。
これらは、毎日の生活の中で起こりうることなので、たとえば着色料の濃い食べ物を極力控えるなどといったことである程度は防ぐことができます。
歯の被せ物に関しても、最近では自費治療にはなりますが、金属を使用していない詰め物(オールセラミック)も登場しています。
気になる人は、定期的にメンテナンスを行い、歯科医師に相談をしましょう。
歯が黄ばんでしまう、予防しにくい原因とは
次に、歯が黄ばんでしまう内因性の原因を紹介していきます。「内因性の原因」とは、次のようなものです。
- 加齢
- テトラサイクリン
- エナメル質形成不全
- 高濃度のフッ素歯の神経が死んでいる
加齢
年齢を重ねるごとに、歯の表面のエナメル質が摩耗して薄くなってしまいます。そして年をとるとともに、エナメル質の奥の象牙質の色が濃くなります。
そのため象牙質の黄色い色が、うすくなったエナメル質を通して透けて見えることで歯が黄ばんでいる状態になります。
テトラサイクリン
テトラサイクリン系抗生物質を、永久歯の象牙質が形成されてくる時期(乳児~12歳頃の乳歯の段階)に服用すると、象牙質に着色ができてしまうことがあります。
これは紫外線に反応して濃くなるため、特に光が当たりやすい前歯の色が変色をしてしまう場合が多いです。
テトラサイクリン系の薬は、歯に対する副作用が確認されています。
そのため現在では、乳幼児への使用を控えるよう対策が取られています。
ただ、まれにテトラサイクリン系の薬が処方されることがあるので、気になる場合は、一度医師に相談をするようにしましょう。
エナメル質形成不全
歯の表面を構成しているエナメル質が、何等かの刺激により先天的に黄ばんでいたりへこんでいたり、などと通常とは違った形で形成される事があります。
これは歯全体に見られる場合もあれば、前歯一本のみといったように歯の一部に起こることも。
歯の黄ばみの原因は様々!予防できるものは自力で防ごう!
ここまでで様々な歯が黄ばんでしまう原因をご紹介してきました。中には自分で対策できるものもあれば、加齢など対策は難しいものもあります。
歯が黄ばみやすい食べ物など、自分で対策できるものに関してはしっかりと原因を押さえて日頃から注意していきましょう。
それでももし、歯が黄ばんでしまったら、下の記事で解説している黄ばみを取る方法を参考にして下さい。
原因が分かれば対処の仕方が明確になるので、まずは何が原因で歯黄ばんでくるかをしっかりと把握して、早めに対策をするようにしましょう。