虫歯の予防をお考えの方なら、とにかく普段の歯磨きが大切です。 そもそも、なぜ虫歯になってしまうのかと言えば虫歯の原因となる細菌が繁殖したり、 細菌が歯に残った食べかすを元に酸を作り出して、歯を溶かすからです。
つまり、虫歯を予防するためには、正しい歯磨きによって食べかす(歯垢)を除去して、同時に細菌の繁殖を防ぐことが必要です。
そこで今回は、具体的にどんなふうに歯磨きしていけばいいのかを解説していきます。その方法の1つとして歯ブラシと歯磨き粉の選び方ほか、最新の虫歯予防事情についてもご紹介します。
歯磨き粉選びも重要！まずは歯磨きの方法をチェック
何を使って磨くべき？
虫歯を予防するためには毎日の正しい歯磨きが必要です。そして正しい歯磨きを実践するためには、歯ブラシと歯磨き粉をしっかりと選ぶ必要があります。 虫歯予防の効果を考えると、何を使っても同じというわけではありません。
歯ブラシの選び方
歯ブラシについては、毛があまり硬すぎないものを選んでください。狙った箇所に対して力を集中的に伝える必要がありますので、ヘッド（歯ブラシの先）は小さいほうがコントロールしやすいでしょう。
普通の大きさの歯ブラシだけではうまく磨き切れない場合は、小型の歯ブラシも一緒に使うと良いかもしれません。
「狙った箇所に対して力を集中的に伝える」といいましたが、実際に歯を磨くときにはごく軽い力で動かしてください。力を入れ過ぎると、毛先が開いて歯垢を完全に除去することができなくなります。
また毛が硬すぎる場合は、歯の表面を傷つける原因となり、汚れなどが付着しやすくなります。さらに、硬い毛が歯茎を傷つけてしまい、歯茎の出血や炎症を引き起こす原因となる可能性があるためご注意ください。
歯磨き粉の選び方
最高の歯ブラシが見つかったとしても、歯磨き粉の選び方を間違えると虫歯予防の効果も半減してしまいます。
歯磨き粉の選び方のポイントの1つ目としては、歯に優しく、しかし汚れをきちんと除去できる製品を見つけることです。例えば、研磨剤入りの歯磨き粉は汚れを強力に落とす効果が期待できる反面、歯の表面を傷つける恐れも高いと言われています。
歯の表面が傷つくと、結果としてその部分に汚れが溜まりやすくなるので、おすすめできません。 したがって、歯を傷つけずに汚れを浮かせてさらに包み込んで落としてくれるような歯磨き粉を選びたいところです。
歯磨き粉の選び方のポイントの2つ目としては、虫歯予防に効果が期待できる成分が配合されていることです。
例えば、医薬部外品である「ちゅらトゥースホワイトニング」というホワイトニング歯磨き粉には、虫歯のリスクを大幅に軽減することが期待できるGTOという成分が配合されています。
GTOはホップエキスとウーロン茶抽出物からなる新しい成分で、虫歯の酸から歯を守る役割をしてくれるのです。研磨剤を使っていないホワイトニング歯磨き粉については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
いつ、どのように磨くべき？
歯ブラシと歯磨き粉をしっかり選んだら、正しい歯磨きの方法を実践していきましょう。
正しい歯磨きの方法
ポイントとしては、歯並びにあわせて、歯ブラシをごく軽い力で小刻みに動かすということです。歯の表面はもちろん、歯と歯の隙間、歯と歯茎の隙間に溜まった歯垢をきちんと除去するように意識してください。
なお、歯磨きの後に舌で歯を触ってみて、ザラザラ感が残っていれば、歯垢が取りきれていないということです。この場合は磨き方が不十分なので、もう一度歯磨きを行ってください。どうしても歯の表面のザラザラ感が取れない場合には、歯石となって固まっている可能性もあるため、歯医者さんで歯石を除去してもらってください。
歯磨きのタイミング
歯磨きをするタイミングについてですが、3度の食事のあとに歯を磨くことが理想的です。
特に、コーヒーや紅茶を好まれる方や、タバコを吸っている方は、歯に着色汚れが付きやすいといえます。時間がたつと落としにくくなりますので、朝昼晩と歯を磨くことが虫歯予防と共に歯の黄ばみや黒ずみの予防にもなります。
しかし、仕事などで忙しい場合もあるかと思いますので、最低でも朝食後と夕食後の2回の歯磨きを行いましょう。中でも夕食後(就寝前)の歯磨きは重要です。
睡眠中は唾液の量が少なくなるので細菌が繁殖しやすくなります。つまり、寝ている間に虫歯になってしまう可能性も高いのです。そこで、虫歯菌が酸を作るために必要な歯垢を、丁寧な歯磨きで確実に除去するようにしてください。
最新の虫歯予防事情
虫歯予防の方法は歯磨きだけではありません。特に、虫歯になりやすい方や、ご自分の子供を絶対に虫歯にさせたくない方は、最新の虫歯予防法をお試しになるとよいでしょう。
最新の虫歯予防①：歯科ドッグ
毎日欠かさずに歯磨きをしていても虫歯になる方がいる一方で、サボりサボり歯磨きをしていてもほとんど虫歯にならない方もいます。
このように、虫歯になりやすいかどうかは、個々人によって大きく異なるのです。 そのような、個々人の虫歯のなりやすさを調べる方法は、歯科ドッグと呼ばれます。
唾液の量はもちろんのこと、これまでの虫歯でき方、歯の汚れやすさ、食事の頻度などを多くの項目から総合的に判断し、虫歯のなりやすさを判断することができます。
自分がどれだけ虫歯になりやすいかを科学的に判断できれば、対策も立てやすくなりますので、気になる方は一度検査されてみるとよいでしょう。
最新の虫歯予防②デンタル・ドラッグ・デリバリーシステム
デンタル・ドラッグ・デリバリーシステム(3DS)は、虫歯を殺菌する効果のある薬やミネラルを口の中で長時間浸透させることができる方法です。 専用のマウスピースを使って、薬の成分が唾液で洗い流されることを防ぐため、より高い虫歯予防の効果が期待できます。
最新の虫歯予防③：プロバイオティクスのタブレット
ミュータンス菌は虫歯の原因となる菌ですが、 その増殖を抑えることができれば効果的な虫歯予防となります。
プロバイオティクスのタブレットは、なめると口の中の善玉菌が増殖して、虫歯菌など悪玉菌のすみかを奪っていきます。 歯科クリニックなどで簡単に入手できますので、 毎日の歯磨きの後に気軽に利用することができます。
虫歯は歯磨きが一番の予防法！プラスで最新治療にもトライしよう
虫歯の一番の予防法は歯磨きです。「虫歯予防したいけれど、そんなにお金をかけるのも嫌だな」「歯医者に何回も通う時間はないよ」という方は多いことでしょう。
そんな方は、最適な歯ブラシ・歯磨き粉を使って、正しい歯磨きを実践するだけでも、充分な虫歯予防効果が期待できます。
そのうえで、虫歯になりやすい方、ご自分のお子さんを虫歯にさせたくない方などは、最新の虫歯予防法にも注目してください。
