虫歯の気になる疑問!進行するとどうなる?うつるって本当?

tooth decay affection

虫歯の予防や治療方法に興味がある方も「虫歯がどのように進行するのか」「どのような原因で虫歯になるのか」をよくわかっていないという方も多いでしょう。

虫歯の原因や、どのように虫歯が進行するかを理解することは、虫歯予防と適切な治療選びに役立ちます。

今回は、虫歯は進行するとどうなるか、そしてそもそも、どうやっって虫歯になっていくかを解説していきます。

虫歯はどうやって進行する?放置したらどうなるの?

虫歯はどんな風に進行するの?

虫歯とは、酸によって歯が溶け、穴があいてしまう病気です。歯が溶けて、歯の成分であるリンやカルシウムが溶け出てしまうことを脱灰(だっかい)と言います。

一方歯には、溶け出したリンやカルシウムを歯の表面に戻す仕組みもあります。これが「再石灰化」です。

つまり、虫歯が進行すること(悪化すること)とは、歯の再石灰化が間に合わないほど脱灰が進んでしまう状態といえるでしょう。

人にはそもそも「再石灰化」という歯を回復させる仕組みがあるんです。
でもこの再石灰化に追いつかないほど、「脱灰」という歯の成分が溶ける症状が進むと、虫歯が進行してしまうんですね。

具体的に虫歯が進行していくステップは、次のようになります。

 icon-hand-o-right 虫歯が進行していく流れ
  1. 初期の虫歯(汚れが目立ち、ツヤがなくなる)
  2. エナメル質(歯の表面の層)に穴があく
  3. 象牙質(エナメル質の奥の層)に穴があく
  4. 虫歯が神経に到達
  5. 歯根(歯の根っこ)しか残らなくなる

以下で、それぞれのステップについて詳しく解説していきます。

tooth decay proccess

1.初期の虫歯

歯に着色汚れが目立ったり、ツヤが無くなっている状態を初期虫歯といいます。まだ歯に穴が開いていない状態で、痛みなどはありません。

虫歯という名前は付いていますが、良質な歯磨き粉を選び、毎日入念に歯磨きを行うことで、 改善することができます。

2.エナメル質への穴

歯の表面を覆うエナメル質に穴が開いた状態です。 まだしみたり痛みを感じたりということはないかもしれませんが、できるだけ早めに歯医者さんで治療したほうが良い状態といえます。

3.象牙質への穴

エナメル質の内側には象牙質と呼ばれる部分があります。象牙質にまで穴が開いたということは、虫歯が進行している証拠です。 虫歯が象牙質にまで到達すると、食べ物や飲み物でしみたり、痛みを感じるケースが出てきます。

4.神経への到達

象牙質の内側には歯の神経があります。虫歯の穴がエナメル質、象牙質、と進み神経にまで到達した場合は、すでに痛みも激しくなっていることでしょう。

ぱっと見た感じで、穴が小さく、大した虫歯には思えなくても、虫歯が中の方で広がっていることがあるため要注意の状態です。

5.歯根だけの状態

虫歯が神経にまで到達したにもかかわらず、さらにそのまま放置すれば歯が崩壊してしまいます。
歯が大きくえぐられたような状態になり、歯を支える根本(歯根)だけが残ったような状態になります。

この時、歯の神経は死んでいるため痛みを感じないケースもありますが、歯だけでなく体の健康を大きく損なう可能性も出てきます。

こうなってしまうと多くの場合、歯を抜く以外の治療法がない状態となってしまいます。

虫歯を放置して進行するとどうなる?

虫歯は自然治癒するの?

「虫歯って放っておいても治らないのかな?」と疑問に思ってる人が多いようです。

しかし、虫歯を放っておいてもどんどん悪化するだけで、決して自然に治るようなことはありません。

すでにお伝えしたように、虫歯が進むと穴がどんどん深くなり、エナメル質、象牙質、そして神経へと到達し、最後には歯がボロボロに破壊されてしまいます。 初期の虫歯で食い止めることができず、歯に穴が空いてしまった場合には、できるだけ早く病院に行くことが必要になります。

セルフケアが可能なのは「初期の虫歯」まで

大切なことなので繰り返しお伝えしておきたいのですが、歯磨きなどのセルフケアによって改善が期待できるのは初期の虫歯までです。

歯に穴が開き始めた場合には、少しずつ、しかし確実に虫歯が進行してしまう可能性があるため、早く歯医者さんへ行くべきといえるでしょう。

軽い虫歯であれば治療も早く終わりますし、治療費も安くてすみます。また、最新の虫歯治療は実費となることが多く、少し余計にお金がかかってしまうものの、痛みが少なく歯への負担も少ないため、利用を積極的に検討してみても良いかと思います。

虫歯の原因とは。虫歯はうつるってほんと?

「ミュータンス菌」と「糖質」が、酸を作る!

虫歯になる原因は大きく分けて2つあります。それが「ミュータンス菌」「糖質」です。

ミュータンス菌は歯を溶かす酸を作るため虫歯の原因となりますが、ミュータンス菌だけでは大きな悪さはできません。
お口の中でミュータンス菌の餌になるのが、糖質なのです。

ミュータンス菌が酸を作るためには糖質が必要です。糖質とは砂糖などの甘いもののことなので「甘いものを食べ過ぎると虫歯になる」と言われるのは本当なのです。甘いものを食べて歯磨きを怠ると、ミュータンス菌が酸をどんどん作り出し、虫歯がどんどん発生することになります。

「虫歯はうつる」は事実!

tooth decay affection

虫歯の原因になるのは、甘いものの食べすぎだけではありません。

「虫歯は人にうつる」という噂を聞いたことがある方も多いでしょう。実はこの噂、れっきとした事実です。

虫歯は唾液を通じて人に感染します。 例えば、カップルのどちらか一方が虫歯であれば、キスなどによってパートナーへ虫歯がうつってしまう可能性も考えられるのです。
もちろん、虫歯が必ず感染するというわけではありませんが、写る可能性があるというのは事実です。

歯の質、体質、あるいは唾液の量などによっても虫歯がうつる確率は変わってきます。唾液の量の多い方は、虫歯になる可能性が下がると考えられます。
唾液そのものがもつ殺菌効果や、唾液が虫歯菌を洗い流す効果が期待できるからです。

子供の場合は特に注意が必要

もともと小さい子供は歯周病や虫歯の原因菌が口の中にないとも言われていますが、 大人からの口移しなどによって虫歯菌がうつってしまう危険性があるのです。

子供の場合、乳歯に虫歯ができてしまうと、永久歯の質が悪くなったり、歯並びが悪くなるといった影響が出ることもあります。

「虫歯の感染」どんな対策が考えられる?

子供が虫歯にならないようにするには、大人が食べ物を口移ししたり、大人の唾液がついた食器や箸を使わせないことです。

大人同士・恋人などであれば、 お互いに虫歯ができないよう毎日の歯磨きを徹底してください。

虫歯の放置はNG!原因からしっかり押さえよう!

虫歯の原因になる酸は、ミュータンス菌が糖質をエサにして作り出します。

歯磨きを怠って歯に食べ物のカスがついた状態は、ミュータンス菌が酸を作り出す絶好の環境を与えていることになるため注意が必要です。

また、虫歯が進行すると歯がどんどん深くまで溶けていき、最終的には歯が破壊されてしまいます。
放置しても決して良くはならないため、初期の虫歯であればセルフケアを行い、虫歯が進行しているようならば一刻も早く歯医者さんで治療を受けてください。

さらに、虫歯は唾液によってうつってしまいます。大人同士はもちろん、特に子供への影響は深刻なため充分に注意してください。

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